「VALED STUDIO」をつくった目的
【藤井編集長】
ここは、そもそもどういう目的でつくられたんですか?
【大坪】
もともとグローバルキャストが展開している子ども向けパソコン教室「バレッドキッズ」は、自宅でもパソコン教室が開けるフランチャイズ方式を採っていて、直営店は少なかったんです。そこで新しいコンセプトの直営店をオープンしてみよう、という話になり、その場所を探していたところ、「ラチッタデッラ川崎」のこの場所を見つけたんですね。
そして、せっかく最先端の情報発信をしている川崎の町でオープンできるなら、新しいことをしていこうという話になって。こういったライブ配信とスクールを併設した施設を思いついたんです。
【藤井編集長】
この場所をつくるという話は、新型コロナウイルスがまん延する前から決まっていたんですか?
【大坪】
その前からですね。
【藤井編集長】
今でこそ新型コロナウイルスの影響でライブ配信の需要は高まっていますが、その前ということは、どういうところからアイデアが出てきたのですか?
【大坪】
もともと僕自身が、前の会社でeラーニングのコンテンツを作成するコンテンツ・プロデューサーをやっていて。そのとき(動画の)教育コンテンツをつくっていたんですけど、いつもはとてもいい授業をしている先生方が、カメラの前だと緊張しながら、こんにちはなんとかです、これからこういう授業をやっていきます、みたいなガチガチの映像を見せられたところで、本来の先生の魅力が伝わらず、全然おもしろくないなと。
ならば、先生たちがリラックスをして授業できるような環境をつくればいいんじゃないかと思って、前職でスタジオを何個かつくったんですよ。つくったんですけど、いろいろ工夫したのですが、結局納得のいく授業の収録ができず、あまりいいコンテンツをつくれなかったんです。あと、編集にやっぱり時間がかかるということもあって。
何かしらもっとよい方法がないかなと思ったとき、最初に出会ったのが、動画撮影スタジオをつくっているヒマナイヌの川井さんだったんです。そこでコンテンツを対談形式にして、先生方に対してリラックしてもらいながら授業をやったらおもしろいんじゃないかな、というアイデアが出て。
【藤井編集長】
最初に対談形式というイメージがあって、こういう場所をつくったと。
【大坪】
そうですね。こういった対談型のスタジオを川井さんがつくっていたのは前から知っていて。そこでは、カメラをまったく意識しないで撮影ができるスタジオが実現されていたんです。新しくスタジオをつくるんだったらこれしかないな、と。すぐに川井さんがやっていたセミナーに参加しました。そこから2年間かかりましたけど、ずっと会社でこういうことをやりたいって言い続けていて。それで今回やっと実現しました。
【藤井編集長】
2年前から考えていたんですね。
【大坪】
どちらかと言うと、2年前は川井さんがこういう対談形式のエンターテイメントをされていて、僕はそのエンターテイメントをもっと教育にもってこれればおもしろいのではないかと考えていました。
【藤井編集長】
そういえば大坪さんが上げていた動画を見たんですが、今回このスタジオを手造りしていたじゃないですか。どうして手造りにしようと?
【大坪】
ひとつはここに参加するスタッフ全員でやっているという、参加意識をもってもらうためです。壁を塗ったりとか、そこだけは自分たちでやりましょうと。もうひとつが、そのつくっている工程もコンテンツになり得るだろうなと。たとえば看板をつくって、その映像をどこかで見た人が「あの看板ってつくられたんですよね」とか「この壁って自分たちでつくったんですよね」とか、会話になるかと思って。